桜にはいろんな花言葉がありますが、各国で花言葉は若干異なります。
この記事では桜のフランスでの花言葉は何?フランスに桜を根付かせた日本人についても調べてみた!についてお話しますね(*^^*)
桜のフランスでの花言葉は?
桜のフランスでの花言葉は、“Ne m’oubliez pas”(ヌ・ムビリエ・パ=私を忘れないで)といいます。

何故このような花言葉になったのかというと、桜の散り際と恋愛の終わりが似ているから。
様々な事情から別れを選び、散り行く桜に自分たちを重ねていたカップルもいたことでしょう。
まだ相手に対して気持ちが残っているけど、離れざるを得ない…。
そんな想いが産み出した、切なくも美しい花言葉なのではないでしょうか。
花言葉といえども、恋愛の悲喜こもごもが含まれているのが何ともロマンチックです。
フランスの人の中にはデートの度に花束を持参する人もいるらしいので、花と恋愛は相性が良いのかも知れませんね。
日本での桜の花言葉は?
日本での桜の花言葉は「精神美」、「優雅な女性」、「純潔」です。
確かに、満開の桜の花は「凛とした貞淑な美しい女性」を想像させます。
また、満開になってすぐ潔く散っていく桜の姿は武士の生き方の象徴ともされていたことがあり、深く愛され親しまれてきました。
日本人の中には、花といえば桜というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか?
美しく優雅な女性と強く潔い武士という相反するイメージがあるのは面白いですね。
フランスにはお花見ってあるの?
もともと、フランスにはお花見の文化はありません。
ですが、漫画やアニメ、ネットなどて日本文化に触れる機会が多くなってきているため、“hanami”を楽しむ人も増えているとか。
フランス流お花見は、芝生の上に直に座ってワインやバケット、チーズなどを楽しむ、ピクニックの延長のような感じです。
日本式のお花見弁当も良いですが、ワイン片手にお花見を楽しむのもなかなか味わいがありますね。
フランス人は桜の開花時期を知らないって本当?

何故なら、日本ではお馴染みのニュース番組での桜の開花予測や気象庁が開花宣言を発表することがないからです。
もちろん、フランスの桜も日本と同じように春に開花しますが、「何となく春に咲いて散る花だよね?」という印象しかありません。
日本での桜の開花時期である3月から4月はちょうど卒業や入学シーズンと重なり、満開の桜は新たな門出を祝うためにふさわしい縁起の良い希望に満ちた花という印象が強いと思います。
ですが、フランスは年度始まりが9月で卒業も6月末からから7月頭。
当然ですがその時期に桜は咲いていませんし、桜の開花時期である3月から4月は特に何かある訳でなくいたって普通の日なのです。
しかも、フランスでは入学式や卒業式といった式典がほとんど行われていませんので、日本のようなイメージが定着しなかったのは仕方がないでしょう。
それでも、フランスの人たちが桜を見てきれいだなと感じる気持ちは日本人と変わらないですし、海外でも桜を大切にしてくれる人たちがいるのは嬉しいことだと思います。
フランスの桜の名所
フランスの桜の名所は以下の2ヶ所です。
・ソー公園
・パリ植物園

まず、ソー公園は先ほど紹介した薩摩治郞八が寄贈した桜があることで有名で、園内に2ヶ所・計100本ほどの桜が植えられています。
芝生の緑と八重桜の濃いピンクのコントラストは華やかで美しいと評判だとか。
一方、パリ植物園は白い八重桜の「白妙」と濃紅色の里桜の一種である「関山」という2種類の桜が植えられています。
パリ植物園の隣には動物園も併設されており、1日楽しめそうですね。
ちなみに、フランスでは淡いピンクのソメイヨシノより、花びらの枚数が多く艶やかな濃いピンクの八重桜の方が好まれたようで、フランスで桜と言えば八重桜をイメージする人が多いようです。
フランスに桜を根付かせた日本人って誰?
フランスに桜が根付いたのは、20世紀初めに「薩摩治郞八」という人がパリ郊外にある「ソー公園」に桜を寄贈したからだといわれています。
東京の裕福な木綿問屋に生まれ、「バロン薩摩」と呼ばれるほどの資産家だった薩摩治郞八は、イギリス留学の後にパリに約30年ほど滞在。
その間に日本から桜を取り寄せて寄贈したり、自身と同じく日本からやって来た留学生のための宿泊施設である「日本館」の建設のために資金を提供したりなどし、フランス国内にその名を轟かせました。
また、当時パリには新進気鋭の日本人の芸術家が多数滞在しており、彼らの活動を経済的に支えるパトロンとしての顔も。
第二次世界大戦後、実家の木綿問屋が倒産したことにより無一文で帰国することになった薩摩治郞八でしたが、帰国後はパリで見聞きしたことなどを元に著作家として活動しました。
晩年は脳卒中を発症したことをきっかけに、妻の故郷である徳島県にて療養生活を送りました。
桜を見て、自身がソー公園に寄贈した桜のことを思い浮かべたこともあったのではないかと思います。
恋愛はフランス発祥って本当?
フランスでの桜の花言葉には恋愛が関わっていますが、「恋愛」という言葉の発祥は実はフランスなのです。
「恋愛」はフランス語で「愛」を意味する“amour”から、明治以降に欧米の概念を取り入れた造語だと言われています。
つまり、それ以前には「恋愛」という概念は存在しなかったと言えます。
現在ではほとんどの人が恋愛をした後に結婚またはそれと同等の関係を築くというパターンが多いでしょうが、近代以前は恋愛から結婚へという流れになることはまずありませんでした。
あったとしても、親に別れさせられたなど悲恋に終わることがほとんどでした。
そもそも結婚は家と家との繋がりという考えが根強く、特に女性は本人の気持ち云々より親の意向で結婚相手が決まってしまう場合も多々ありました。
中には、祝言(≠結婚式)の日に初めて相手に会うということも。
その後、欧米の文化や概念が一般市民まで浸透して好きな人同士が自由に恋愛出来るようになりました。

おわりに
フランスでの桜の花言葉は、“Ne m’oubliez pas”(ヌ・ムビリエ・パ=私を忘れないで)でした。
桜の散り際と恋愛の終わりが似ているためにこのような花言葉になりましたが、桜の散り際は決して悲しさだけではなく、これから新しいことが始まる予感を感じさせる前向きな見方もすることが出来るでしょう。
桜の美しさと散っていく儚さ、そしてまた咲き誇る強さに想いを馳せるのも良いかも知れませんね。
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